武井中心に腐の萌え吐き出しブログ。
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ヴァレンタイン/ハオ蓮
2012.02.16 Thursday
「いっぱい作ったね」
「そうだな。」
甘い香りの漂うカウンターキッチンのダイニングテーブルの上に置かれているラッピングを見て、蓮はエプロンの紐をほどいた。
料理は普段はハオの役目である、着なれないエプロンを脱いで一息。
ヴァレンタイン、目の前の包装のそれは先程まで二人で格闘していたチョコレートである。
「蓮!」
呼ばれて顔を上げた先には、キラキラと期待に満ちたハオの顔、差し出された表掌。
「…は?」
恋人のその顔に、蓮は素直に疑問符を上げた。
「え?」
「え?」
その疑問符に、疑問符をあげる事が疑問だとハオが返しても、蓮はまた疑問符。
「いやいやいや!!蓮さん!?」
「なんだ。」
「恋人に、ほら!!」
「…なんだ、貴様…貰う気だったのか?」
ハオの期待を粉々に打ち砕いて、蓮は純粋に不思議がっている。
「~~~…」
そのにべもない態度に、言葉もなく項垂れる。
「だって、ハオ。貴様作っている最中に散々食っただろう。」
蓮の言う通り、一作業毎にハオは味見と称して甘党ぶりを発揮した。
「それに、目の前に居るのに包装する手間も要らないだろう。」
「じゃぁ!」
「なんだ?」
「これは?」
ハオの指す通り、テーブルの上には数々のプレゼント包装。
端の一際手の込んだ包装を指差すハオに、蓮は相変わらずに素っ気なく答える。
「それは葉のだ。」
「!?」
フリーズするハオの心中を察して、ゲスな想像を否定よりも呆れてヒラヒラと手をふる。
「…アンナと花も分もまとめてだから大仰なだけだ。」
「これは?」
一番の蓮の心移りという心配がなくなっても、余裕の無いハオが指したのは次いで豪華な二つの包み。
「それは…親父どもにだ。」
「まって!何で幹久にも!?」
「仮にも貴様の実父なのに貴様があまりにも蔑ろにするからだ!!」
同情含めての旦那実家の気遣いに驚かれて、心外だと怒る嫁である。
「それじゃこれらは…?」
最早泣きそうなハオに、その他ゴロゴロとあるプレゼントを解説してやる。
「友チョコとか言うんだろう、ホロホロにチョコラブに、リゼルグ、竜、まん太…」
次々あげられていく友人の分はあるのに、この愛する人への行事で贈り物の無い現状…。
蓮だって、きちんと分量を計算し、作業が終わった後には残りを皿に盛って二人で作ったチョコを二人で食べようと思っていたのだ。
それをつまみ食いで無くしたのはハオの自業自得だし、同情の余地はない。
無いけれど、
「おい、ハオ。」
呼び掛けに、顔を上げたハオに、
「んぐ!」
ボウルに残っていたチョコをすくったゴムべらを、その口に突っ込んだ。
「な、」
驚いて口を開けたハオの口からゴムべらを抜いて、
「ん。」
その、甘ったるい口を口で塞いだ。
チョコの乗った舌を舌で舐めあげて、絡ませる。
ゴクン、とハオが絡まった唾液とチョコを飲み込んだのを確認して、蓮はいつもの尊大な態度でいい放つ。
「本命だ、文句無いな。」
いつも愛情表現に関しては受け身な蓮の行動に、ハオが愛しさ感極まって真っ赤になりながら頷く。
「れ…!」
「ならいい。」
名前を読んで抱きつこうとしたのを見越して、蓮はクルリと身を翻してしまう。
「さっさとこれを配ってまわねばならん。あー忙しい。」
スタスタとハオの間合いから逃れて外出の準備を始めてしまう。
慌ててハオもそれに続いて、玄関で靴を履くところの蓮に追い付いた。
「…なんだ?」
後ろから回された腕に不満げな声を出していても、見えない頬は勿論、髪の間から覗く耳も赤くて。
「ありがとう。」
「…ふん。」
先程逃れた多忙という理由も、また出すのも無粋で。
しばらく蓮はハオの腕に納まっていた。
以降、蓮総受け。
蓮が去った後の炎にて。
竜「旦那がいない間に、蓮が置いていきましたよー」
葉「れ、蓮のチョコ!?」
ルド(…兄さんのだけなんか立派…モヤモヤ)
竜「オレやルド坊の分まで持って来てくれやしたよ。」
ルド(オレにもって、いや義理だろうけど、手作りだし…グルグル)
葉「!?」
竜「? どうしたんですか、旦那?」
葉「手紙が…」
『いつも僕の嫁がお世話になってます、ハオ』
竜「…あぁ、そういえばハオも一緒に来て、一緒に作ったとか…。」
葉「牽制か…。」
ルド(グルグルモヤモヤ)
葉→蓮で、ルド→蓮。花→蓮も追加していいよ!!
でもハオ蓮は仲良し新婚です。付け入る隙はないよ!
ルドの恋心は、憧れの兄さんが好きな人→好き、と言う誤解でも本心でもどちらでも美味しいです。
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