武井中心に腐の萌え吐き出しブログ。
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匂いフェチ/ホロ蓮
2011.10.31 Monday
「蓮、お前それで帰んのかよ」
ホロホロの家を出ようと、靴を履いた所だった。
別に学校帰りにホロホロの家にフラと寄っただけだし、昼間は暑くてジャケットはまだ出していない。
日も落ちて今帰れば寒いかもしれないが、元々寒いことは我慢できる。
「…それ、我慢はできるけど寒ぃってこと?」
呆れたような苦笑い。
まるで聞き分けのない餓鬼にするような顔が気に入らない。
「ほら、」
バサ、と。
玄関側にかけてあったパーカーを頭から被せられる。
子供にするように、頭をポンポンと叩かれる。
やめろ。
「はいはい、さーせんした。気を付けて帰れよ。」
見送りにぞんざいに返して、後ろ手に玄関を閉めた。
やめてほしくなんてなかった、なんて。
意図を汲み取れなんて無茶な要望だ。
気付かれたところでどうするんだ。
拒否される、今のこの友人という関係すらなくなる。
そんなことは望んでいない、ごめんだ。
「でかいな。」
指先がようように出る袖丈も、腰を覆う裾も。
その分、襟首は広くて外気が入り込んでくる。
引っ張りあげて口を塞ぐようにすれば、知った匂い。
あぁ、ホロホロの匂いだ。
こんな移り香でなく、本人にこうして包まれたいなんて、無茶な要求だ。
「さむいな。」
満たされることのない心がか、優しさがなければもっと凍えただろう体がか。
本来なら、汗くさい不快な匂い。
それがこれほど恋しいなんて。
「ばかか、おれは。」
あぁ、頬が熱い。
後日、学校にて。
いつもの三人組から、蓮だけが席を外している。
ホロホロはチョコラブに、あーとかうーとか、苛立ちを触発する前置きで口を開いた。
「蓮にさぁ、」
「おう?」
それに突っ込みも野暮だろうと流してやり、机に突っ伏すホロホロに向き直る。
「貸してたんだよ、パーカー。」
「うん、」
「で、返ってきた。」
「良かったな。……で?」
ここで終わる話なら、ホロホロは言いよどむこともないだろう。
「返ってきたんだけど、」
「おう、」
「…タグ付きで。」
「なんだそりゃ?」
「いや、オレが聞きたい。」
前日、蓮の家。
「蓮、何か頼んだ?」
自室に顔を覗かせた姉さんから手の荷物を奪うように受けとる。
「なぁに?服?」
いつも姉さんが山ほど買ってくる服を甘受しているオレの荷物に興味を持ったようで、袋の中身を透視するかのように見つめられる。
何でもないです、とドアを閉めて袋を開ける。
中身は、先日からベッドの上に鎮座しているパーカーと全く同じそれ。
さっさと返してしまえばいいものを。
態々取り寄せて、そんなに返したくないのかと自嘲。
「だって、ホロホロのにおいがするんだ。」
もうそんなものしないのに。
「きもちわるい。」
単純に行動がキモチワルイ。
恋情が心を責めてキモチワルイ。
あぁでも、だって、
「すきなんだ、」
こんなに。
匂いフェチで爪の甘すぎる片想い。というか両片想い。
そして普通に応援してくれそうなチョコラブさんと潤姉さん。
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