武井中心に腐の萌え吐き出しブログ。
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喫煙/ホロ蓮
2012.02.22 Wednesday
朝。
目が覚めると、蓮はまだ隣ですやすやと眠っている。
指先で起こさないように髪を整える。
かわいい。
布団を出て、蓮が寒くないように肩までしっかりと包んでおく。
煙草の箱とライターを取ってベランダに出る。
寝巻きのままではまだまだ寒い。
しゃがみこんで膝を抱える、引き寄せた灰皿には昨晩吸った吸い殻と灰。
ふーと吐き出した息は白い。
蓮は煙草を吸わない。
オレを咎める訳ではないが、家の中は禁煙。
一緒に住み出す条件として提示された一つだった。
ボックスを開けて揺らすと、
「あ、」
中には一本も残っていない。
しまった、昨晩吸いきってしまったのを忘れていた。
別段ヘビースモーカーと言うわけでも、無いと駄目だと言うわけでもない。
だが、吸おうとしてないと、
「あー駄目だ、イライラする。」
買い置きもない、灰皿を持って家に入る。
ざっと洗っておいて、寝巻きに上着を羽織る。
蓮を起こさないように、そうっと財布だけ尻ポケットに突っ込んで家を出る。
鍵を回す動作ですら、慎重になるべく音を立てず。
「さみ…。」
愚痴た息も白い。
まだまだ時間も早い、外には人もまばらで、空気も寝起きのように動きを感じない。
布団で温もっていた体温などすぐに奪われる。
自分が歩いて起きる風ですら冷たくて、首をすぼめてトロトロと歩く。
最寄りのコンビニまでは数分、すぐにつく。
店員は若い女の子で、オレの顔を覚えていてレジの前に立つと何も言わなくてもいつもの銘柄を出してくれる。
「寒いッスねー」
「ですよねー。」
軽く世間話をして煙草だけ買って店を出る。
封を切って銀紙を抜いて、
「あ、」
店のゴミ箱にそれらを捨てたときに気付いた。
「ライター忘れた…。」
もう一度戻ってライターだけ買うのもなんとなく気まずくて。
いいか、出掛けたついでだ、蓮のお気に入りのスイーツの売ってる先のコンビニまで足を伸ばそう。
ポケットに煙草を突っ込んでまたトロトロ歩き出す。
帰ったら蓮を起こして、コーヒーを入れて、スイーツを贈呈して、寝起きのガードが緩い蓮なら稀少な満面の笑みを見れるかもしれない。
イメトレをしてよし、と気合いを入れて足を早める。
頬や耳が痛みを通り越して麻痺してくる頃になって漸く目的のコンビニ到着。
綺麗に面出しされた商品棚から蓮お気に入りのスイーツを取ってレジへ。
「すみません、ライターってどこですか?」
レジの女性はスイーツだけをレジに通しながら億劫そうに返した。
「あーうち煙草取り扱ってないんでー」
「え、」
「136円になりますー」
結局スイーツだけが入った袋を下げて退店。
全然コンビニエントじゃない、煙草はなくてもライターは置くだろ、というか店員は客の質問にきちんと答えろよ。
とか、駄目だイライラするのはニコチン切れのせいだ。
「あーーー、」
意味もなく声を出しても、最寄りのコンビニまで戻る距離が縮まる訳でもない。
寒いよりも煙草の中毒性が勝って、大股で家路を急ぐ。
「あーもう寒ぃし火は無ねぇし。」
早朝の寒いなか出勤を急ぐサラリーマンでもいれば火を借りようかと思うが、最近の禁煙の波でまず火を持っている人が少ないだろう。
もういい、家に帰ってから思いっきり吸おう、そうしよう。
元々目付きのいい方ではないが、イライラで余計に険しい顔をしているのだろう。すれ違った愛犬を散歩させているご婦人に避けられる。
早く帰ろう、帰って煙草吸って、早く蓮に癒されよう。
「あれ?」
地味に凹んでいるオレの後ろから、ふと知った声が掛けられた。
「ずいぶんとご機嫌なようだけど、こんな時間に散歩かい?」
嫌み混じりの挨拶に怒る前に、振り替えってオレは地獄に仏なハオの肩を掴んだ。
「火出せ。」
彼の能力で指先に灯された火を借りて、漸く起床からの目的を果たす。
「喧嘩でもして追い出されたのかと思ったよ。」
家からそう遠くない公園の一角、喫煙スペースである。
「ちげぇよ、バカ。」
不穏な予想を払って、オレは深く煙を吸い込む。
「あーーー、生き返る。」
「大袈裟だなぁ。」
煙草を吸わない奴には分からないだろう。
この今では友人に落ち着いた、だけれど油断ならない男と適当な世間話の間に吸い貯めをする。
「煙草なんてやめたら?吸わない同士の方がお似合いだと思わない?」
にっこりと微笑むその頬に、さっさと別れてしまえと書いてある。
「うるせぇ。」
何本目かの煙草を灰皿に捨てて、オレは蓮への土産を持ち直す。
「じゃぁな、」
「ああ、」
「火サンキュ。」
「はいはい。」
ヒラヒラとやる気の無い別れの挨拶を交わして、愛しの恋人様が待つ愛しの我が家へと帰る。
ふんふん、と軽く鼻唄なんてしながら開けた玄関に、予想外に恋人様のお姿。
「おかえり、ホロホロ。」
にっこりと、笑う美貌に見とれる前に背筋が凍る。
まるで先程の友人のように、言葉とは裏腹な本心が頬に見える、気がする。
「で、」
聞き惚れるほど大好きな声で、身動きすらとれないオレを威圧する仁王立ちのその手には、二台の携帯電話。
「どこに行くかもいつ帰るかも告げず、連絡手段も置いて、」
一緒に住み出す条件として提示された一つ、出掛けるときは「どこにいつまでだれと」を報告すること、という一文を思い出す。
財布と鍵だけを持って出掛けたオレは、頭をフル回転させてこの状況を打破する言い訳を考える。
「ずいぶんとご機嫌なお帰りだな、ホロホロ。」
が、
「ごめん、れ」
「問答無用ーーー!!!」
それを披露するより先に、文字通り電光石火な恋人様の雷が落ちた。
先程の公園に戻って、煙を吐き出す。
「…やっぱり、禁煙しようかな…。」
連れは、公園で野良猫とじゃれていたらしい先程と同じ友人。
「はは、それにしては言動が一致しないねぇ。」
蓮の心配ゆえの愛情表現を受けて満身創痍なオレに、ハオは笑みを返した。
彼の危惧した通りの状況に、オレは寒空の下もう一本と煙草を出した。
あれ、ほんと…煙草切れてるときに見つけたコンビニが煙草取り扱いしてないときの絶望感と言ったら…。
ハオは生きてるパロです。そしてSOFも持霊なまま。
ハオはホロと仲良しだけど、蓮を狙ってればいいよ。
煙草。
ホロホロは妥当にマルボロ辺りで。
チョコラブさんも吸いそうだな、セッタあたり?重いの吸いそう。洋物は疎いので分からん。
蓮、リゼ、ハオは吸わないイメージ。
葉の旦那は「葉っぱ」です←
麻薬ダメ!絶対!!
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