誕生日なのに誕生日関係ない萌えSS投下！
自己満足自己満足、同人なんて所詮！！

前に言ってた「双子を幸せにするにはこうするしかなかったんだ」麻の葉・茎子姉妹パロです。年齢設定わかんないけど双子がいい。

パラレルだよ！キャラ崩壊だよ！葉ハオっぽいよ！
蓮出てこないよ！（←自分でもびっくりだ。）
高校一年くらいの気持ちで読むといいよ…↓

「あら、葉くん」
よくよく覚えのある面影と重なるお隣の奥さんが玄関を開けたところで、葉は猛烈に後悔をした。

表札には「麻倉」。
その、葉自身の家にも表札は「麻倉」。
今、チャイムを押した家は、隣の麻倉本家の家主、麻倉　茎子の姉妹、麻の葉の家である。

母親よりもおっとりとした印象の彼女はゆったりと首をかしげて甥っ子を玄関内に促すよう体を斜に向ける。
「いや、回覧板だけ、渡し」
脇に抱えてきたバインダーを渡してそそくさと踵を返そうと、
「やあ！葉！！」
した、その肩に、
「っ、ハオ…！！」
麻の葉の後ろからにゅっと伸びた腕で、従兄が手をかける。
思いっきり顔をしかめる葉の肩をそのまま抱き込んで、麻の葉に背を向ける様に肩を組む。
「母さんの前で舌打ちなんかするな。」
やけに友好的でいつもの彼より半オクターブは高かった声は地声に戻され、秘め事をするためだけでなく怒気を含んで葉に放たれる。
「あぁ、悪かった…から、オイラは帰、」
「そうだった！今日、茎子は旅行だったね！！」
葉の台詞を遮るように、また対母親用の声で朗々と芝居かかった口調で言い切って、ハオは恨みすら籠った目線の葉ににっこりと笑いかけた。

「はい、いっぱい食べてね？」
ハオの一見友好的な笑みの、遺伝は間違いなくこの母親だろうと確信させる笑みの麻の葉に、葉はなんとか口角を吊り上げて返した。
目の前には、玄関を開けた時に嗅いだ元凶が、食卓に並べられている。
普段ハオと麻の葉の二人だけの小さなダイニングテーブルに椅子をもう一つ持ってきて、のっているメニューは、カレーライス。
見た目にも、彩度の高い、見覚えがあるとすれば、幼子用のソレと似ている。
「おい、ハオ」
横で黙々とスプーンを進める従兄を肘で突いて、ひそひそと話しかける。
「おかわりもどうぞ、」
「そうじゃないだろ、よくも巻き込んで…」
「あぁ、酷い、昔はもっと従兄思いないい子だったのに」
「あのなぁ、」
「考えろよ。」
ぴっ、とハオがスプーンで指したのは、自分の分をよそっている麻の葉の体の向こう、カレーなべ。寸胴、と呼んでもいいかもしれない。
「朝夕晩と、何日続くと思う？」
「ガンバレ、」
「手伝え。」
「なんでオイラ」
「母さん、茎子は明日の晩まで帰らないんだって。」
葉の台詞を再び遮って、にっこりと、振り向いた母親に言い放った。
「じゃぁ、明日のお弁当はハオに持たせておきますね。」
「…うわぁあ、アリガトウゴザイマス」
冷蔵庫に旅行前に茎子が買ってきた食材があるんだが、調理しなければそうそう足の速いものも無かった筈だ。
食材の鮮度よりも、葉はハオに机の下で踏みつけれているつま先の保守を優先した。


普段から笑みを浮かべている姿がデフォルトだが、母親の前では三割増しの笑みのハオに見送られて葉は十二分目の腹をさすりながら自宅の玄関を開けるところだった。
「母ちゃんの予定、言うんじゃなかった…」
「お前から聞かなくたって知ってるよ、蘭の所に行ってるんだろ？」
麻の葉の目の届かないところに来ると、通常運転に戻ったハオに葉は口元をムズムズさせる。
「…何だよ？」
「いんや、」
お互い人付き合いは苦手だ。
血の繋がりか互いは気の置けない仲だけれど、いつの間にか葉の友人である蓮と個人的に話をする中になっている事に緩みそうになる口角筋と、あまりに母親を大切に思いすぎる優しい彼に、その通り顔をにやつかせるのはあまりに無礼だろうかと考えて。
我慢できずににやけた葉に、ハオはローキックを食らわせて麻倉本家の門を閉めた。
「ハオ、」
「何だよ、」
門の格子を挟んで、痛みもほとんどない蹴られた個所をさすって葉は声をかける。
「もうちょっと辛い方が好きー、くらい言っても、麻の葉さん怒らんと思うぞ？」
「うるさい！」
駆け戻ってしまったハオの背中を見送って、明日彼から渡されるであろうタッパーに入れられたカレーをどうしようかと考えた。
「とりあえず、食堂行ってレンジ借りて…」
ハオが素直に頭を下げにきたら、追加できるスパイスを貸してやってもいいけれど。
「それは、難しそうだなぁ。」
うえっへっへっ、ともう蹴られる心配もないので、葉は存分に従兄に目を細めた。














辛党な麻倉兄弟なのに、母さんは甘党っぽい。
後はマザコンハオと被放任主義な葉くん。
父親は多分、職業旅人と言う名の引き籠らないニート。