武井中心に腐の萌え吐き出しブログ。
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小説テスト/Kバイ
2011.04.20 Wednesday
以降、2011.01.09 Comic city 大阪82 で出したペーパーの小話です。
ウルティモ短文、当時最新号SQ2月号読んで、思いついて、書くならいましかねぇ!と滾って書き殴った。
KバイKいいよ!という主張。
狭山さんが何かしらの善に優れてる、より、無能の方が私的にしっくりくるんですが。
善悪どっちの殿かは明言されてない…よね?
されてたらすいません、ウルティモまったく考察しないで読んでる…。
タイムループ系は推理物ではなく娯楽です←
狭山さんについて本気だして考えてみた(タイトル)
一人の少女に与えられるには、広すぎる部屋だった。
もうすっかり夜も更け部屋の照明も落とされて、彼女の視野を助けるのは大きな窓から入る街灯の明かり。その窓を開けて、本来人の出入りのないそこから上がり込んだ客人は、逆光を受けて尚、鋭い眼光で彼女を見据えていた。
無雑作に散らばった長髪に半身はある大ぶりな手飾り。ガラの悪い少年のような風体のそれを、彼女――狭山 真琴は知っている。少年でも、人間ですらないことを知っている。
勇ましく雄々しく、見惚れるほどキレイなのに、それからは一寸の好感も持てない。
知っているから。彼がどういった物で、何をしに来たのか。
生れたときから富と将来を約束されて、環境と容姿に恵まれ、なんの苦労もなく全てを与えられている。それは言いかえれば、彼女自身の能力がないことを示していた。すなわち、
「無能、」
彼が発した言葉を、彼女は否定できずにいた。
爛々と光る眼に吊りあげられた口角、狂喜と呼んで差し支えない表情の彼が近づいてくるのに彼女は逃げも臆しもしない。
「さぁ、契るぞ。」
最初から肌蹴た彼の胸部が、見事なカラクリ工芸のように展開して、痛みを伴って彼女と交わった。
整えられた広い食卓の上には、彼のご所望通りの品が並べられていた。食べずとも、それが常勤している料理人が最高級のものを用意したことが分かる。
にも関わらず、彼の顔は歪んでいた。
「貴方が食べたいって、」
その不満そうな様子に、主人である彼女の言葉を遮る様にバイスはハンバーグにフォークを突き立てた。
「てめー、本当に無能だな。」
彼と彼に関わる人々に対してのみ褒め言葉になるその言葉を吐くが、前任者が作ったそれより格段に美味なその食事も、彼の機嫌を直すでもない。
前任者よりも優れた殿を得た悦を上回り、彼を不機嫌にしているのが何なのか。
この豪勢な食事よりも、あの狭い部屋の汚い台所で作られたメニューの方が、なぜ好ましく思えるのか。
その答えは、悪の童子である彼には必要のない事。
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