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武井中心に腐の萌え吐き出しブログ。
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傷話/葉蓮
なんか落ち着かないので、小話でも。
得意の黒葉様、神格化も追加で。


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鈍痛

抱き締められている彼の胸の中で微睡んでいた。
温もりと鼓動で安堵している中、彼がオレに呼び掛けるように髪をすいた。
声を出せばこの微睡みを壊してしまうからだと思う、手のひらの柔らかさや指の繊細な動きを後頭部に感じて顔をあげる。
彼の顔には微笑、微睡みと安堵の混じった、半開の眼に弧を描く眉、柔らかく笑みを浮かべる口元が雰囲気を壊さないようにそっと声を吐いた。
「蓮、」
オレに呼び掛けて、葉は抜き身の刀でオレに斬りかかった。

意識と感覚がリンクして、目を開けた先で葉が先ほどと同じ笑みを称えていた。
「おはよう、蓮」
「…葉、貴様オレを殺したな。」
「おう」
彼は床に臥せっていたオレを見下ろしている。
先ほどと変わらぬ、安堵と安寧。オレが彼の手で命を絶たれ、また彼の手で彼岸から帰還しても、彼はあの笑みのまま。
ここでなぜこんなことをしたと問い詰め泣きわめけばいいのだろうけれど、オレは日頃から彼の愛情に曝されて、元より歪んだ倫理観はとうに磨耗して残っているのはただ彼の笑顔。
彼の愛情には、同義語で殺意が含まれていた。
彼はオレの大好きなあの笑顔のまま、オレの胴を二分する傷に憎悪を吐く。
「これはオレの意思でオレの過去、お前が気にする物ではない」と言っても、彼は何度も傷をなぞり、何度もオレ自身にまでその憎悪の触手を伸ばす。
愛していると吐いた口で、オレの生きた道を憎む、息を吐くように。
言葉にしたら二人の雰囲気を壊してしまうから、このぬるま湯と性欲と惰性の関係も。
言葉にしない、慈愛に溢れた目に写るのはオレに刀を突き立てる様。
笑う彼の口元を、もう何度見ただろう。

傷を憎むのは自ら以外がオレを勝手にした事への嫉妬だと嬉しいことをいう。
その傷を上塗るために何度でもオレを貫いて、彼の手にいれた御技でオレを眠りから起こす。
その先で、いつも彼は笑っている。
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関西在住マンキン蓮受け同人者。オフもたまにでます。
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