武井中心に腐の萌え吐き出しブログ。
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2024.11.24 Sunday
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大人リゼ蓮
2011.04.24 Sunday
再開
久しぶりに再開した彼は、あの誰にでも好かれる笑顔。
「わぁ、蓮くん、髪伸びたねぇ」
別に無精なだけだ。
「いいなぁ、黒髪、アジアンビューティーだよね。」
そういう台詞は、女に使うものだ。
「綺麗だよ。」
それも、
「うん、本当に、綺麗。」
…髪が、か。
のびてきた手が、髪でなく頬を撫でる。
人に触れられるのは得意でない。
それに、腕を組んでいるんだから、ボディーランゲージくらい読み取れるだろう、距離をつめるな。
「綺麗。蓮くんが。」
彼は、否定ではなく賛美の言葉を重ねた。
髪を背中に流すついでに彼の手からも逃れる、距離をとる。
「時間、あって良かった。」
そうだな、懐かしい。
「僕はあんまり。」
?、なんだ?
「蓮くん、メディアに結構出てるし。」
あれも仕事の内だからな。
言って、気づく。
それなら、オレの姿なぞ知っていただろう。
オレとは違う、少女と見間違う少年であった彼が、目の前の青年に変わる過程を知らないオレとは。
「テレビや紙上の君は、僕の知らない君だから。」
なんだそれは。
「こんな風に触れないし、」
言って、懲りずにまた手を、今度は肩に。
「こんな風に、」
少女のようだったその顔立ちは精錬されて、か弱い印象さえ与えた華奢な身体は聞き知っている彼の職業に就くのに相応しい体躯で。
これは変わらない、僅かにしか違わない身長差で、どちらがしゃがむでも背伸びするでもなく唇が触れた。
「キスされて、可愛くなってくれない。」
なんだそれは…。
わざとらしく目の前で口を拭っても、彼はあの笑み。
天使の笑み。
「かっこよくて綺麗なのに、僕の前だけでこんなに変わってくれて嬉しいんだ。」
肩にあった手は、気づけば背中にある。
職業に相応しい力強さで引き寄せられて、多忙にかまけてトレーニングを怠った自分を呪う。
「蓮、くん」
呼ばれて、未だ口に当てていた手の甲を素直に下ろすくらいだから、呪詛は己への言い訳だ。
目の前で、触れるほど近くで笑う顔に、素直に目を閉じるくらいには、
オレだって、お前を賛美したいほどには惚れているのだ。
彼のスーツの腰に手を回して、
お前本当に、変わったな…。
「あはは、ごつくなったでしょ?」
元が元だからな。
「でも、」
クスクスと笑いながら、耳に寄せられた口が、
「脱いだ方がすごいよ?」
悪戯をする。
それに引っ掛かるのは悔しいのに、どうしても顔が暑くて。
「あぁ、本当に、蓮くん、かわいい。」
「大好きだよ。」
馬鹿が。
オレもだ。
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